腰痛 ~非特異性腰痛~

非特異性腰痛とは、原因が明らかでなく、下肢の神経症状(しびれなど)を伴わない腰痛で全体の7割程度である。

また日本人の8割以上が一度は経験する程、日本は腰痛患者が多い
3ヶ月以上続く慢性腰痛では、ストレスなど心因性の影響もかなりある

①椎間関節性腰痛

椎間関節は関節軟骨、関節包、滑膜があり上下の椎骨でつくる左右一対の関節で、椎骨間の連結を行いながら脊柱の働きを安定させている

急性:椎間関節捻挫によるギックリ腰が最も多い
→重い物を持ち上げたり、急に体を捻ったりすることで関節包や靭帯が傷つき
炎症が起こる
椎間関節部には多くの知覚神経が分布しているため、神経を刺激してしま
い腰部に疼痛が出現する

慢性:不良姿勢や加齢による変性
→関節軟骨の摩耗、滑膜の炎症や骨棘形成によるものや腰部の筋緊張による
循環障害および前弯増強で悪循環

下位腰椎に好発する(L4-5、L5-Sの椎間関節部)
一般的な症状は、片側または両側の腰仙部・上殿部などの鈍痛
後屈制限、後屈時痛、大腿外側への放散痛(長時間の立位、体を反るなど)
下肢や足部のしびれはない

②筋・筋膜性腰痛

体幹を支えながら、腰部の運動を行うため強大な筋が発達しているが過負荷や過剰に伸ばされ
たりすると損傷する場合がある


急性:過伸展、捻転による炎症でギックリ腰の原因第2位
損傷した筋に熱感や発赤などの炎症がみられることもある

慢性:筋疲労などによる循環障害
軽度な運動と温熱で緩解


一般的な症状は、脊柱起立筋に好発し、続いて多裂筋や回旋筋、外腹斜筋や殿筋に発生し、
炎症している筋によって前屈、後屈、側屈、回旋時痛などが出現する(顔を洗う、靴下の着
脱時痛など)

③仙腸関節性腰痛

腰椎や股関節の動きが悪く、仙腸関節部に負担がかかる
体を捻った拍子や長時間の同じ姿勢、重い物を持った時
その他、妊娠・出産などにより発症する(分娩等で骨盤輪が緩み損傷)


一般的な症状は、片側に多く、仙腸関節部の圧痛
動作時や動作開始時の骨盤周囲の痛み
歩行中の股関節の引っかかりや膝・下肢の痛みなど
脚長差に影響

④脊椎圧迫骨折

骨粗鬆症が基盤で、ステロイド長期服用者や閉経後の女性に多い
→腰を捻る、転倒、くしゃみ、尻もちなど軽微な外力で骨折する


一般的な症状は、胸腰椎移行部に多く、叩打痛が陽性
起座、前屈時痛、歩行時痛、胸椎後弯により痛みが増強
また骨折部だけではなく、腰殿部に痛みが出現する場合もある

治療は、コルセットなどによる固定と安静
時間とともに骨折した骨は固まってくっつくので、痛みは消失する

⑤脊椎分離症

椎弓を構成する上・下関節突起の関節突起間部の骨性連結が断たれた状態
スポーツ選手や発育期の過度の運動による疲労骨折が多い(L5に好発)
発生しても症状が出ない場合もある
10~20%が分離すべり症を併発する


一般的な症状は、腰部の鈍痛や疲労感、罹患腰椎棘突起の圧痛
後屈時や後斜屈時に痛みが誘発される
腰椎前弯の増大→お尻が後方に出っ張る
一般に脊椎分離症では坐骨神経症状はないが、分離すべり症を起こすと呈することがある


治療は保存的治療を優先し、青少年の発症し始めのものは
硬性コルセットによる厳格な安静固定で分離部の骨性癒合を得て完治を期待できる

鍼灸治療目的

循環障害や筋の過緊張を緩和し、疼痛および放散痛を軽減させる。
その他、仙腸関節性腰痛では血行改善・靭帯の柔軟性を
得て、骨盤周囲筋の過緊張を緩め、症状の改善をはかる。


また、圧迫骨折や脊椎分離症の疑いがある場合は、一度整形外科の受診をおすすめします。


★腰痛による安静臥床で1日あたり筋肉が1%損失するので、急性腰痛の場合、長期の安静臥床(4日以上)は不要であり、痛みの限度内で日常生活を続ける方が、回復も早いとされています。


★その他、わからないことがありましたらお気軽にご相談して下さい。

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