頭痛

一次性頭痛 (機能性頭痛)

・原因となる基礎疾患がない
・日本の頭痛患者は、片頭痛→840万人、緊張型頭痛→2200万人、群発頭痛→1000人に1人程度

鍼灸治療の対象となりやすい

① 片頭痛

頭痛全体の1/3を占め、74%が日常生活に支障をきたしている
(「仕事や日常生活に支障をきたす疾患」の第19位、女性に限定すると12位)
女性に多く、遺伝する場合もある

一般的な症状は、片側の側頭部やこめかみに拍動性の頭痛
前駆症状として閃輝暗点(視覚障害)、随伴症状として悪心・嘔吐や光過敏

*誘発因子→運動、月経、空腹、精神的緊張、肩こり、ストレス
アルコール、食品、食品添加物、化学薬品、薬物など

*緩解因子→側頭動脈の圧迫・冷却、部屋を暗くするなど

国際頭痛学会の診断基準

1.前兆のない片頭痛
A.B~Dを満たす頭痛発作が5回以上ある
B.頭痛の持続時間は4~72時間(未治療もしくは治療が無効の場合)
C.頭痛は次のうち少なくとも2項目を満たす
1.片側性
2.拍動性
3.中等度~重度の頭痛
4.日常的な動作
(歩行や階段昇降など)により頭痛が増悪する、あるいは頭痛のため日常的な動作を避ける
D.頭痛発作中に少なくとも以下の1項目を満たす
1.悪心または嘔吐(あるいはその両方)
2.光過敏および音過敏
E.他の疾患によらない(注)

2.前兆のある片頭痛
A.B~Dを満たす頭痛発作が2回以上ある
B.少なくとも以下の1項目を満たす前兆があるが、脱力は伴わない
1.陽性徴候(例えばきらきらした光・点・線)および・または陰性徴候(視覚消失)を含む完全可逆性の視覚症状
2.陽性徴候(チクチク感および・または陰性徴候(感覚鈍麻)を含む完全可逆性の感覚症状
3.完全可逆性の失語性言語障害
C.少なくとも以下の2項目を満たす
1.同名性の視覚症状または片側性の感覚症状(あるいはその両方)
2.少なくとも1つの前兆は5分以上かけて徐々に進展するかおよび・または異なる複数の前兆が引き続き5分以上かけて進展する
3.それぞれの前兆時間の持続時間は5分以上60分未満
D.1.1「前兆のない片頭痛」の診断基準B~Dを満たす頭痛が、前兆の出現中もしくは前兆後60分以内に生じる
E.他の疾患によらない(注)

(注)病歴および身体所見・神経所見より頭痛分類5~12を否定できる
または、病歴あるいは身体所見・神経所見よりこれらの疾患が疑われるか、適切な検査により除外できる
または、これらの疾患が存在しても、初発時の発作と当該疾患には時間的に緊密な関係がない

②緊張型頭痛

日常生活に支障を生じることは少ないが頻度が最も多い

身体的・精神的ストレスにより頭頸部の持続的筋収縮が起こり、長引くと乳酸、ピルビン酸などの発痛物質が発生し疼痛出現
→さらに疼痛は交感神経活動を高め、疼痛閾値を敏感(低下)にし、筋肉の持続的収縮をもたらす悪循環

一般的な症状は、後頭部から頭頂部にかけての締め付け感や頭重感など
頸の痛みや肩こり、めまい感を合併することが多い

*増悪因子→睡眠不足、眼精疲労、ストレス、長時間のうつむき姿勢
*緩解因子→入浴、運動、ストレッチ・マッサージ、休息、飲酒

国際頭痛学会の診断基準

1.稀発反復性緊張型頭痛
A.基準B~Dを満たし、平均して1ヶ月に1日未満(年間12日未満)の頻度で発現する頭痛が少なくとも10回ある
B.頭痛は30分~7日間持続する
C.頭痛は以下の特徴の少なくとも2項目を満たす
1.両側性
2.性状は圧迫感または締め付け感(非拍動性)
3.強さは軽度~中等度
4.歩行や階段の昇降のような日常的な動作により増悪しない
D.以下の両方を満たす
1.悪心や嘔吐はない(食欲不振を伴うことはある)
2.光過敏や音過敏はあってもどちらか一方のみ
E.他の疾患によらない(片頭痛の注と同様)
(1)頭蓋周囲の圧痛を伴う稀発反復性緊張型頭痛
A.頭痛は、2.1「稀発反復性緊張型頭痛」の基準A~Eを満たす
B.触診により頭蓋周囲の圧痛が増強する
(2)頭蓋周囲の圧痛を伴わない稀発反復性緊張型頭痛
A.頭痛は、2.1「稀発反復性緊張型頭痛」の基準A~Eを満たす
B.触診により頭蓋周囲の圧痛が増強しない

2.頻発反復性緊張型頭痛
A.基準B~Dを満たし、3ヶ月以上にわたり、平均して1ヶ月に1日以上、15日未満(年間12日以上180日未満)の頻度で発現する頭痛が少なくとも10回ある
B.以下は2.1と同様

3.慢性緊張型頭痛
A.基準B~Dの項を満たし、3ヶ月以上にわたり、平均して1ヶ月に15日以上(年間180日以上)の頻度で発現する頭痛
B.頭痛は数時間持続するかあるいは絶え間なく続くこともある
C. 以下は2.1とほぼ同様

③群発頭痛

20~40代の男性に多く、一次性頭痛の中で最も痛みが強い
決定的な原因や治療法、または予防や対処法は見つかっていない

一般的な症状は、眼窩部にキリでえぐられるような、あるいは刺されるよう
な痛みがある季節になると短時間で一定期間続くもの
また自律神経症状を随伴する

*誘発因子→飲酒、喫煙、ニトログリセリンなどの血管拡張薬の服用
*緩解因子→酸素吸入

国際頭痛学会の診断基準

A.B~Dを満たす発作が5回以上ある
B.未治療で一側性の重度~極めて重度の頭痛が眼窩部、眼窩上部または側頭部のいずれか1つ以上の部位に、15~180分間持続する
C.頭痛と同側に少なくとも以下の1項目を伴う
1.結膜充血または流涙(あるいはその両方)
2.鼻閉または鼻漏(あるいはその両方)
3.眼瞼浮腫
4.前頭部および顔面の発汗
5.縮瞳または眼瞼下垂(あるいはその両方)
6.落ち着きがない、あるいは興奮した様子
D.発作頻度は1回/2日~8回/1日である
E.他の疾患によらない(片頭痛の注と同様)

治療目的

一次性の頭痛の場合、首肩こりを伴っていることが多く、頚肩部および肩甲骨周囲の筋緊張を緩和させることで頭痛の症状が改善されることが多いです。
また、片頭痛では三叉神経説が最も重要視されているため、三叉神経の興奮を抑える治療や、群発頭痛では自律神経が影響していると考えられているため、自律神経の調整を行う治療を併用していきます。

類似疾患:後頭神経痛

後頭筋膜などの腱鞘のトンネルを貫いて後頭部の皮下に出るところ で絞扼されて発症する

一般的な症状は、後頭部の片側、耳の後ろあたりに表面的で瞬間的な痛みが起こる
痛みは髪の毛を触ると痛い、何もしていなくても痛いなど個人差がある

*誘発因子→疲労、ストレス、風邪などの体調不良時など

治療目的

後頚部や後頭筋の筋緊張を緩和し、後頭神経の興奮を抑える

二次性頭痛 (症候性頭痛)

・原因となる疾患があり、二次的に頭痛が併発する
・脳血管障害や脳腫瘍など生命にかかわる重篤な疾患が含まれている場合があるので一度専門医を受診してください。

薬物乱用頭痛(MOH)

薬物の過剰摂取という原因のため二次性頭痛に分類されるが、実際は一時性頭痛が基礎にあり、特に片頭痛と合併することが多い

鍼灸治療の対象となりやすい

国際頭痛学会の診断基準

A.頭痛は1ヶ月に15日以上存在するサブフォームで規定される1種類以上の急性期・対症的治療薬を3ヶ月を超えて定期的に乱用している
B.1.3ヶ月以上の期間、定期的に1ヶ月に10日以上エルゴタミン、トリプタン、オピオイ
ド、または複合鎮痛薬を使用している
2.単一成分の鎮痛薬、あるいは、単一では乱用には該当しないエルゴタミン、トリプ
タン、オピオイドのいずれかの組み合わせで合計月に15日以上の頻度で3ヶ月を
超えて使用している
C.頭痛は薬物乱用により発現したか、著名に悪化している
D.薬物乱用の使用中止後、2ヶ月以内に頭痛が消失、または以前のパターンに戻る

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