変形性膝関節症

変形性膝関節症とは

軟骨の磨耗・減少によって関節の隙間が狭くなり、それに対応し骨棘が形成され変形が起こる
(骨棘→炎症によりカルシウム沈着が起こり、トゲ状に骨が形成される)

一次性変形性膝関節症

中高年以降の女性に多い(1:3~4)(約80%)
関節軟骨の退行変性によって発症(屈伸時には体重の数倍の負荷がかかるため起こりやすい)
加齢、肥満、遺伝、生活習慣、職業、性ホルモンの影響 など

二次性変形性膝関節症

40歳以下の男性に多い
スポーツ人口の増加に伴い、外傷性膝関節疾患に続発
→半月板損傷、靭帯損傷、軟骨損傷、骨折 など

症状

運動開始時痛(歩き始め、椅子から立ち上がるなど)
腫脹、熱感、正座痛、階段昇降時痛(特に降りる時)
膝の内側の痛み(外側が痛くなる人もいる)

病態

内反変形(O脚)
関節水腫(潤滑作用のある関節液が炎症により過剰分泌され防御反応をしている状態)
屈曲拘縮(屈曲したまま固まってしまい完全に伸ばせない状態)
大腿四頭筋(特に内側広筋)の筋力低下、筋萎縮(筋肉がやせること)
膝くずれ(突然ガクッと折れ曲がる、力が入らない、はずれる、抜ける、不安定)

鍼灸治療目的

膝関節周囲の筋緊張をゆるめ、循環障害や関節可動域を改善し痛みを除去する

★体重減量のアドバイスや大腿四頭筋トレーニングなども御紹介させて頂きます。
★関節内は無菌状態のため刺鍼による細菌侵入や、灸による水疱などには細心の注意を払いながら治療をしていきます。
★その他、わらないことがありましたらお気軽にご相談して下さい。

その他の膝疾患

鍼灸治療で効果が出やすい疾患

鵞足炎

陸上競技やサッカー選手に多く、運動時や運動後に膝の内側に痛みが出現
(オーバーユース症候群(使いすぎ))

腸脛靭帯炎

別名ランナー膝とも言われ、長距離ランナーなどに多い
膝の外側に痛みがある (オーバーユース症候群)

膝蓋靭帯炎

別名ジャンパー膝とも言われ、バスケットボールやバレーボールなどによるジャンプや着地の繰り返し動作で発症する(オーバーユース症候群)
膝前面の痛みと、大腿前面の張り感が生じる

タナ障害

スポーツなどにより繰り返しストレスが生じ発症する 
膝の屈伸時に、ひっかかり感や内側に痛みが出現

関節リウマチ

女性に好発 (自己免疫疾患)
膝蓋骨外側の痛み、外反変形
症状が左右にあり、他の関節にも痛みがある (初期では手や足の指関節が多い)
1時間以上続く朝のこわばり など

鍼灸治療の適応困難

突発性骨壊死

膝痛患者600人に1人の割合で、まれな疾患
中高年の女性に好発 (変形性膝関節症とほぼ同年代)
変形性膝関節症とは対照的で、激しい安静時痛や夜間痛
進行すると屈曲拘縮、壊死部に圧痛、内反変形 

化膿性膝関節炎

関節内注射後、24~48時間以内に激しい疼痛、夜間痛、発赤、腫脹、運動制限 などが出現
変形性膝関節症の悪化ではなく、注射による感染症

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