急性低音障害型感音難聴、メニエール病、突発性難聴と鍼灸治療

日々、治療を行っていると耳鳴りの症状を訴える患者さんが多くいらっしゃいます。耳鳴りにも低音性や高音性、ストレスによる一過性のものから、年齢によるものなど病態も含めて様々です。
疾患として多いのは、メニエール病、突発性難聴、そして最近特に30代以降の女性に急増している「急性低音障害型感音難聴」です。急性低音障害型感音難聴は、内耳の蝸牛という場所に内リンパ水腫が起こり発症します。(似た疾患のメニエール病は蝸牛に加えて前庭の機能が障害され激しいめまいが起こります。)症状としては、ゴーっといった低い耳鳴り、耳閉感、低音性の難聴があり、緩解と再発を繰り返しやすいのが特徴です。
ストレスと関連があると言われ、自律神経異常とも言われます。内リンパ水腫の発症は、リンパ液の吸収機能の低下によるもの。もう一つは内リンパ液の生産が過剰になる場合です。
こちらは、自律神経機能の異常により、血管内から水分が内リンパ腔に露出しやすくなる為と考えられます。自律神経の機能は、脳の視床下部にある中枢の影響を受けます。視床下部はストレスがあるとホルモンを分泌して、そこから自律神経中枢に働き、血圧上昇、心拍数上昇などのストレス反応が起こります。内耳の血管への影響は、血流の減少となります。
鍼は、自律神経機能の正常化に働き、全身調整を行う事で耳のリンパ水腫が起こらないよう働きかけ、更に局所的に内耳の血流を上昇させる事で器官の働きの低下を防ぐ事を目的とします。その他、耳の疾患で多いものに突発性難聴があります。突発性難聴が発症する原因はまだまだ不明な点も多いですが、何らかの理由で音を感受する神経細胞が障害され起こります。
やはり、原因として睡眠不足やストレス、循環障害などが挙げられています。こちらも鍼灸治療が是非おすすめです。まずは、耳に異変を感じたらすぐに病院を受診して頂き、併行して鍼灸治療を治療、メンテナンスとして受けられる事をおすすめします。
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